
最終回:4STEPで見直す“伝える力”
「デザインから学ぶ、ゼロから始めるブランディングの基礎」
届かないのは、あなたの魅力じゃなく“伝え方”かもしれない
「デザインから学ぶ、ゼロから始めるブランディングの基礎」
——なんて、ちょっとカタめのタイトルで進めてきたこのシリーズも、今回でいよいよ最終回。
第1回から第4回まで、ひと通り読み終えた方も、
途中から読んでくださった方も、
ここで一度、一緒に振り返りながら“今の自分”を見直してみましょう。
実はこのシリーズ、ブランディングにちょっと苦手意識がある方にこそ読んでほしい内容なんです。
「ブランディングって、なんだか難しそう…」
「見た目だけ整えても、中身が伴ってない気がする…」
そんな声、実際によく聞きます。
でも、わたしは長年デザイナーとしてお仕事してきて思うんです。
“デザインしてみる”ことが、じつは一番の近道なんじゃないかって。
たとえば、名刺やチラシを作ろうとしたとき。
「誰に向けて?」「どんな印象を持ってほしい?」「自分ってどんな人?」
……って、自然と考え始めるでしょう?
つまり、“どう見せたいか”を考える過程こそが、
自分のビジネスを見つめ直す時間になるんです。
このシリーズでは、そんな身近なデザインの話からスタートして、
気づけば「ブランディングの基礎」が身についてる——
そんな流れで、4つのステップをご紹介してきました。
今回はその総まとめとして、
今までのポイントをぎゅっと凝縮してお届けします。
STEP1|ブランディングって何?
はじめに:まずはここから思い出してみよう
シリーズの第1回では、「ブランディングって何?」というテーマからスタートしました。
見た目だけ整えて、満足してない?
見た目を整えることや、キレイなデザインにすること。
もちろん大切です。わたしもデザイナーなので、それはよくわかります。
でも、それだけで——
「本当に届けたい相手に、ちゃんと伝わってる?」
なんとなく雰囲気だけで作った名刺やチラシ、SNS投稿。
それが“自分の魅力をうまく伝えきれてない”どころか、
逆にチャンスを逃してしまっているかもしれません。
せっかく想いがあっても、見せ方を間違えると、
「なんかよくわからない人」で終わってしまう。
……それ、もったいなさすぎませんか?
ブランディングは、“自分の中身”を整えることから
ブランディングって聞くと、大げさに聞こえるかもしれません。
でも本当は、「わたしは誰で、どんな想いを届けたいのか」を
しっかり言葉とカタチで整理していくこと。
つまり、自分の中身を整えることから始まるんです。
この考え方は、あとで出てくる第4回の内容にもつながってくるんだけど、
(→「言葉とデザインを揃える“ブランドの設計力”」っていうお話です)
でもその前に、まずはブランディングの土台として、
「自分の想いをちゃんと見つめること」が必要なんだということを、
第1回では丁寧にお伝えしました。
今こそ、伝える準備を
「まだ早いかも」とか「もうちょっと整ってから」——
ブランディングを後回しにしたくなる気持ち、わかります。
でも本当は、準備ができた“あと”じゃなくて、いまこの瞬間に考えるべきこと。
誰にどう見られたいかを考えずに走り出すと、
せっかくの出会いやチャンスを、自分でスルーしてしまうこともあります。
だからこそ、いま。
「自分は何者で、誰に届けたいのか」を、ちゃんと見つめなおす。
それが、ブランディングの第一歩なのです。
STEP2|誰に届ける?(ペルソナ設定)
“なんとなく発信してるだけ”になってませんか?
SNSを更新しても反応がない、名刺やチラシも反応が薄い…。
そんな状況に心当たりがあるとしたら、
「どう見せるか」以前に、「誰に届けたいのか」が決まっていない可能性があります。
“なんとなく”の発信では、誰の心にも届きません。
全員に向けた言葉は、結果として“誰にも響かない言葉”になってしまう。
これは、もったいないを通り越して、その状態、実はすごく危険です。
狭く、深く、ぶっ刺さる言葉が集客をつくる
第2回では、ペルソナ――つまり「届けたい相手像を明確にすること」をテーマにお話ししました。
よくあるのが、「30代女性・主婦・平日昼間にSNSをよく見る」などの
ぼんやりとしたターゲット像。でも、それでは弱いんです。
本当に刺さる言葉を届けるには、もっと深く具体的に──
- どんな生活をしていて
- どんな悩みを抱えていて
- どんな価値観を持っていて
- どんな言葉に反応するのか
そんなふうに、“ひとりの人”が頭に浮かぶくらいまで描くこと。
そこまでリアルに思い浮かべるからこそ、
選ぶ言葉やデザインが、その人にまっすぐ届くようになるんです。
自分のための発信か、相手のための発信か
「とりあえず更新してるSNS」
「一応配ってる名刺やチラシ」
それ、ほんとうに“誰かの心”に届いてますか?
「この人、わたしのことを考えてくれてる」
そう感じてもらえる発信に変えるには、
“たったひとり”に届くつもりで発信することが大切です。
第2回では、そんな視点をもとに、
“伝わる発信”のスタート地点であるペルソナ設定を掘り下げました。
STEP3|“あなたらしさ”は、どこにある?
自己紹介、なんとなくで済ませていませんか?
「わたしは〇〇をやってます」「〇〇の資格を持ってます」
……たしかに、それも大事。でも、それだけで本当に自分の魅力、伝えきれてますか?
ぼんやりとした自己紹介では、印象にすら残らない。
競合も多い中で、「あなたにお願いしたい」と思ってもらうには、
“自分の強み”と“違い”を、ちゃんと把握して言語化しておく必要があるんです。
ここを避けて進もうとすると、後々ぜったいに詰まる。
だから今、ちゃんと向き合っておきましょう。ズバッと。
モヤモヤを言語化する作業が、ブランディングになる
第3回では、「自己分析」と「競合分析」について深掘りしました。
「自分には何があるのか」「似たような人と何が違うのか」
言語化しようとすると、途端にモヤモヤしてくるかもしれません。
でも、その“モヤモヤ”こそがブランディングのヒント。
- なぜこの仕事を選んだのか
- 過去の経験がどう今につながっているのか
- 誰に対して、どんなサポートができるのか
言葉にしようと悩んで、書いて、また消して……
その繰り返しの中にこそ、“あなただけの物語”があるんです。
比べるのは落ち込むためじゃなく、“戦う場所”を見つけるため
競合分析と聞くと、
「すごい人ばかりで落ち込む…」って思ってしまう方も多いけれど、
比べるのは、自分を責めるためじゃない。
どこで勝負できるかを見つけるためにやるんです。
- あの人は実績豊富で信頼感が強み
- わたしは寄り添いやすさと、柔らかい言葉の選び方が強み
- でもターゲット層はちょっと違うかも
そんなふうに比較していくと、
「じゃあ、わたしはこの層に刺さるデザインと言葉でいこう」って
“ポジション”が見えてくる。
ど真ん中で勝てなくても、端っこでピカピカ光ってれば、選ばれることはできるんです✨
“自分を知る”ことが、あなたのブランドをつくる
自分を深掘りするのって、しんどいしめんどくさい。
でもここをスキップして「それっぽく見せる」だけだと、
結局あとで「なんか違う」ってズレが出てきます。
パチッと自分に合う発信をしたいなら、
まずは自分をちゃんと知ること。見つめること。
ブランディングは、「どれだけ見せるか」じゃなくて、
「どれだけ自分をわかってるか」から始まる。
「自分らしさを伝えたい」なら、まずはここから、です。
STEP4|言葉とデザインを揃える、“伝える力”の仕上げ
伝えているつもりで、伝わっていない。これが一番もったいない
「ちゃんと想いはあるし、こだわってる」
それなのに、相手に「で、あなたってどんな人?」って聞かれてしまう——
それはつまり、“伝わってない”ということ、“ないのと同じ”。
第4回では、そんな厳しい現実を前に、
「あなたはどんな人ですか?あなたのビジネスは何ですか?」という問いに、
シンプルに、わかりやすく伝えられる状態にすることが大切だとお話ししました。
ブランディングは「統一感」がすべて
どれだけ素敵な言葉を選んでも、
見た目(色・フォント・レイアウトなど)とバラバラだったら、伝わるものも伝わらない。
逆に、文章がやわらかく丁寧なのに、
デザインが強すぎて冷たく感じられたり。
見た目は明るく親しみやすいのに、言葉がビジネスライクすぎて距離を感じたり。
そんな“ちぐはぐ”な印象は、無意識のうちに不信感につながることもあります。
だからこそ、ここで立ち止まって確認してほしいんです。
「わたしって何者?」を、5秒で伝えられますか?
見た目やキャッチコピーがどれだけ整っていても、
それを見た相手が、「で、あなたは何をしてる人なの?」と思われる現実は、最悪です。
ここで必要なのは、シンプルな一貫性。
- 名前
- 肩書き
- デザインの雰囲気
- 色、言葉のトーン
- 書いてある内容
これらすべてが、「あなたらしさ」を伝えるために整っているかどうか。
パッと見ただけで、あなたが“どんな人で、何をしている人か”がわかるか。
それが、ブランディングの最終チェックポイントです。
✔︎ 誰に
✔︎ 何を
✔︎ どう届けたいのか
この3つの軸を明確にして、
言葉とビジュアルで“ブレずに一貫して伝えていくこと”。
それこそが、“あなたらしさ”をブランドに変えていく最短ルートです。
名刺、SNSのプロフィール、肩書き、チラシやパンフレット——
どの媒体で見ても、「この人はこういう人なんだな」とすぐに伝わる状態。
それができて初めて、
「ブランドとして認識される」というステージに立てるのです。
“わたし”を届けるために、整える
デザインや言葉の統一感は、「見た目をそろえるため」じゃない。
自分という存在を、相手に正確に伝えるために必要なこと。
ここまでのSTEP1〜3で掘り下げてきたことを、
ようやく“目に見える形”で表現するステップが、このSTEP4でした。
「あなたって、何をしている人なの?」
この問いに、迷わず、自信を持って答えられるか。
そのための準備が、ここで整うんです。
最後に|“伝わるブランド”は、今ここから始まる
ここまで、ブランディングの基本を4つのステップで見てきました。
STEP1|ブランディングって何?
→ 想いを“どう届けるか”を設計する力が、すべての土台。
STEP2|誰に届ける?(ペルソナ)
→ 「この人に届けたい」と具体的に決めることで、発信がぶれなくなる。
STEP3|“あなたらしさ”の発掘(自己・競合分析)
→ 強みや違いを言語化することで、ポジションが見えてくる。
STEP4|言葉とデザインを揃える
→ 「あなたは誰で、何をしている人か」が、ひと目で伝わる状態へ。
さて、ここまで読んでくれたあなたに、ちょっとだけ厳しいことを言います。
「なんとなく」では、もう届かない
あなたがどれだけ想いを持っていても、
「ちゃんと伝わる形」にしていなければ、残念だけどそれは存在していないのと同じ。
デザインをそれっぽく整えたつもり、
プロフィールに気の利いた言葉を入れたつもり、
発信を頑張ってる“つもり”。
その「つもり」が、今いちばんのブレーキになっていませんか?
「整ってから始めよう」では、いつまでも始まらない
「まだ準備ができてないから…」
「ちゃんと考えてから動こうと思ってて…」
そうやって後回しにしている間に、チャンスはどんどん流れていく。
あなたより少しだけ先に動いた誰かが、
“あなたが出会いたかった人”に、すでに届いているかもしれない。
それって、くやしくないですか?
今この瞬間から、見直せることがあるはず
- あなたのプロフィール、名刺、自己紹介——
きちんと「あなたのこと」が伝わっていますか? - 伝えたい想い、ちゃんと形にできていますか?
- 言葉と見た目、チグハグになっていませんか?
どれも、今日このあとにでもチェックできることばかり。
なのに、それをせずに「あとで整えよう」は——もう、言い訳です。
日常の中で、考え続けてください
ブランディングは、特別なときだけ考えるものじゃありません。
洗濯を干しながら、
夕飯を作りながら、
お風呂に入っているときも。
頭の片隅で「わたしって何者なんだろう?」と、一生懸命、考えてみてください。
日常の積み重ねの中にこそ、
あなたらしいブランドのヒントは隠れています。
でも、ひとりで抱え込まないで
もし途中で、「もう自分だけじゃ無理かも」と感じたら。
ひとりで全部なんて、頑張らなくて大丈夫です。
あなたの“伝えたい想い”が、きちんと届くように。
一緒に考えること、整理すること、お手伝いできます。
もし一人で悩んでしまったら、お気軽にお問い合わせください。
新たな挑戦に踏み出す起業家や経営者の孤独や迷いに寄り添い、
まだ言葉にならない想いや“自分らしさ”を共に導き出す。
想いをデザインでカタチにする、生駒の起業伴走デザイナー ✕ 行政書士が、あなたの悩みに寄り添います。
まずは、あなたの声をお聞かせください。